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2012年7月22日 (日)

「ロマン紀行・壬申の乱」に酔う

天候不順のせいか、
運動不足が原因か
ともかく
6月下旬から体調がよくない

気持ちまでドンヨリして
頭のキレもよくない

それでも、
ようやく梅雨が明けたので
すっきりするかと思えば
今度は酷暑

で、そんな中
たまたま図書館で借りたのが
「ロマン紀行・壬申の乱」だ
Img_1931

読み出したら
体調が悪いのも忘れるくらい
はまってしまった

でも、読書スピードは遅く
読んでもすぐ忘却のかなたへ

行きつ戻りつ、居眠りもはさんで
なかなか進まずだったが

それでもめげずに読み進めて
やっと昨日読了した

この本は1991年1月から
毎日新聞の朝刊に
1年間に渡り連載されたものを
1冊にまとめた本だ

672年、天智天皇の後継争いで
天智の子・大友皇子と
皇弟・大海人皇子(後の天武天皇)とが
戦った乱が
いわゆる「壬申の乱」だ

これを伝える原資料は「日本書紀」のみ

その中で、私の住んでる西美濃地方が
この乱の勝敗を決定する
重要な舞台として登場するのだ

なぜ、これほど、西美濃がキーポイントなのか

今までにも、郷土の優れたミニコミ誌
「西美濃わが街」(現在休刊中)でも
たびたび取り上げられてきたし

地元の講演会、研究会などで「壬申の乱」が
取り上げられてきた

しかし、どうしても全体像が見えにくい
断片的で分かりにくかった
(自分の勉強不足も多分にあるが…)

この本の特徴は「ロマン紀行」が
示すとおり
大海人皇子が大津を脱出して、吉野に逃げ
さらに伊勢から美濃にと移動するルートに
即して「壬申の乱」を読み解いていくものだ

1300年以上も前のことが
本当にどれだけ分るのか

どのルートをたどったのか、
地元の言い伝えや伝承、古老の話
郷土史家の推理などを交えて
展開していく

奈良県、三重県、岐阜県などの地図を片手に
そして時折グーグル地図も拡大して
「なるほど、この道を進んだのか」などと
納得したり、首を傾げたりして読み進めた

何だか自分も一緒に歩いているようで
実に楽しい

わからないことが多いし
その謎を推理していく

それが好奇心をさらに湧きたてる

大海人の私領地である
美濃の安八磨郡「湯沐邑」は
一体どこにあったのか

051
〈金生山)

大海人軍側は、短期間に何千もの兵を
終結出来たのはなぜか

不破や尾張はどう動いたのか
反対勢力はなかったのか

大量の武器はどうやって調達したのか

それを解き明かすヒントは?

鍛冶の神さま〈金山彦)を祀る南宮大社

昔、赤鉄鉱が採掘された金生山

伊富岐神社との関係は…
Img_1983
〈南宮大社)

不破には多くの渡来系氏族が住みついたのは
なにゆえか

壬申の乱で大きな役割を果たした西美濃は
それによってどう変化したのか

古文書や歴史書、そして遺跡、など関連づけて
なおも見えてこない部分がある

物証ばかり集めても、無理があるし
本当の姿は見えてこない

それを古代にタイムスリップして
「こうではなかったか」と
大胆に推理する

歴史が面白いのはその部分ではないだろうか

「天下分け目の関ヶ原」というが
その後、何度も多くの天下を左右する戦が
この地方で繰り広げられた

西美濃はそういう運命の地なのだともいえる

そして、この著者〈椎屋紀芳氏)が語るように

「かれらは何を夢見て戦ったのか。…
東国びとが総力を挙げて実現した天武朝は
夢を叶えるどころか近江朝より苛烈に律令制度を
進めた。
命をかけて戦った東国の豪族、農民たちに再び
栄光の日は来なかった。」

歴史を見てくると
西濃地方は、いつの世でも
権力者にとって恐れられた地であったし
ここを制覇したものが天下を取ったのだ

そのせいか、時の為政者は
この地域を細分化し
分断化政策をとってきた

平成の大合併推進でも
「西濃はひとつ」の合言葉どおりに
キャンペーンを随分張ってきたが
結局、まとまらず破局となったのだ

古代のロマンは、1300年を経た今も
現実のわれわれに
「これでいいのか!」という
生きざまを問われているような気がした

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