松江・出雲の旅(4)
八重垣神社
夏の日暮れは7時過ぎだから
旅行者にはありがたい
そこで、松江から少し郊外にある
八重垣神社へ行ってみることにした
駅前の観光案内所でバスの時刻を聞く
神社までは20分で行ける
が、1時間に1本しかない
帰りのバスもちょうど1時間後だ
そりゃそうだろうな
今や、地方の電車、バスという公共交通機関は
大赤字で、それでも地元の足の確保という使命で
補助を受けながらなんとか運営しているのだ
郵政民営化やNTT、農協といった地方の勤務先が
次々に廃止・統合され、地方切り捨て時代だ
高齢者と子供ばかりが田舎に残り、
どこへ行っても青息吐息の生活だ
その大切な足である生活路線バスに
主婦や高校生に混じってやっと乗り込む
終点が「八重垣神社」だ
周囲は民家が少しあるだけで寂しい雰囲気だ
平日の夕方なので参拝者はほとんどいない
あまり見たことがない狛犬がいた
ヒビ割れて欠落しているところもある
ちょっと形が変わっていて面白い
八重垣神社の祭神は
八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したスサノオノミコト
宍道湖にそそぐ大川・斐伊川の上流がその舞台といわれている
古事記によれば
退治した大蛇の尻尾から出てきた剣が
いわゆる三種の神器のひとつ「草彅の剣」だ
スサノオはこの剣をアマテラスに献上したという
大蛇退治したスサノオに救われた
稲田姫命は妻となって多くの子を産んだ
スサノオは鬱蒼とした森の中に、
妻を守るため八重垣を作った
『八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに
八重垣作る その八重垣を』
スサノオの喜びを表した歌でよく知られている
今日は曇り空だったので、
「八雲立つ」風景は見られず残念
神社の奥に入ると若い女性に人気のスポット
「鏡の池」がある
占いを書いた和紙の上に、10円や100円硬貨を乗せて
水に浮かべ、15分以内に沈むと早く良縁に恵まれる
また、近くに沈めば身近に、離れて沈めば遠くに
相手がいる、ということらしい
このことは、古事記にはない話だが
やはり、縁結びの神サマにはピッタリだ
残念ながら誰もいなかったので、沈む様子は見られず
沈んだ真白の和紙をながめた
稲田姫命がこの水を飲み、
鏡としてこの水に容姿を写していたのだろう
よくみると、水がゼリー状に見えてくる
サラサラの水というより、ネバっこい水の感じだ
不思議な感じがする、と思った
岐阜県の揖斐川上流にある「夜叉が池」にも
同じような伝説がある
毎年夏になると、神主が化粧品などをお盆に載せて
池に流す
そうすると、不思議なことにヒタヒタと向こう岸に流れていく
いつの間にかお盆が引っくり返って、またお盆が戻ってくる
だが、本当にそうなるかは知らないが…
やはり水にちなむ川、池、そして雨、洪水、日照り
といった自然の脅威に対する恐れが伝説を生みだした
隣接して結婚式場?があり
こんな看板が立っていた
境内に山神神社があった
よくみると左右にチン座するのは
でっかい男のシンボルだ
柔な男じゃダメ!ってこと
たくましい肉体も当然ですよね
これまた、愛知県小牧市にある田懸神社を想い出しますねぇ~
子孫繁栄、五穀豊穣です
八重垣神社参拝はこれにて終わり、
貴重なバスに揺られて
松江駅に到着したのは6時を過ぎていた
駅前にある全国チェ~ンの居酒屋に入り
ホテルに戻ったら、
酔いと疲れでバタンキュ~でした
〈続きは次回(5)へ〉
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