« 小さな主張 | トップページ | 徳山村はいま! »

2006年6月17日 (土)

オートバイ。その名は「陸王」

おやじの背中(4)

親父は、けっこう新しいものにはまっていた。
「陸王」と呼ばれるオートバイもその内のひとつだ。

僕らはリコーと呼んでいた。
エンジンを掛けるとボトボトボトと逞しくも重厚な音がした。

丸いヘッドライト、全体が丸みを帯びた青い躯体のオートバイ。
一度止めたままで乗ってみたことがある。

両手でハンドルを支えて、ボディにやっとまたがると
僕の小さな体がふわりと乗っかっている状態だ。危うい。

親父は笑った。
そんな格好じゃな。ダメだ、と言うわけだ。

田舎町にはこんな最新の乗り物に乗ってる人も珍しい時代だった。
親父は小柄な体で乗り回していた。

小学生のころだったと思う。
生まれつき病弱な僕を後ろに乗せて
知多半島の新四国八十八ヶ所霊場めぐりに行った。

夕方になり、途中、知多半田の駅前だったかオートバイを預けて、
1週間後に電車で半田まで来た。

あわて者の親父、オートバイのキーを忘れた。
仕方なく、そこで合鍵を工面してもらい、何とか出発した。

おやじの背中にくっついて「陸王」は風を切りながら走った。
どんなところをお参りしたかはよく覚えていない。

しかし、背中に必死につかまっていたことは忘れていない。
このオートバイをいま街で見かけることはまずない。

« 小さな主張 | トップページ | 徳山村はいま! »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/111086/2260904

この記事へのトラックバック一覧です: オートバイ。その名は「陸王」:

« 小さな主張 | トップページ | 徳山村はいま! »

2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

日本ブログ村

最近のトラックバック

無料ブログはココログ